小さな店舗のつくり方
こんにちは。今回は以前、担当させて頂きました、10坪程度の小さな店舗についてご紹介させていただければと思っています。10坪前後の物件は駅近などの好立地でも、賃料も抑えられることから、初めて店舗をだす個人事業主様やフランチャイズオーナー様まで幅広いお客様からご依頼を頂くことがあります。今回はその中から代官山駅徒歩5分以内の小さなカフェの店舗についてご紹介いたします。

ご依頼主様はメルボルンとコーヒーが大好きで、会社を辞めてメルボルンへバリスタ修行に行かれるというバイタリティ溢れる女性です。カフェのご出店は初めてで、物件契約前から候補店舗の現調にお伺いさせていただきました。様々なアイディアを頂きながら、何度もお打合せを重ねて素敵なお店が完成しました。今回は、小さな店舗づくりでのポイント3点をご紹介いたします。
小さな店舗づくり3つのポイント
・スペースの有効活用
・色調と素材
・ファザードの重要性
まず、1つ目はスペースの有効活用です。当たり前のことではありますが、小さな店舗では限られたスペースで、働きやすい厨房と、居心地の良い客席の両方をかなえるために、デッドスペースを極力なくして設計するよう心がけています。厨房エリアはミリ単位まで考えて打ち合わせしました。必要な厨房機器を限られたスペースにはめ込んでいく作業はまるでパズルをしているかのうようです。また、客席ベンチシート下の収納スペース内にはコンセントを設けて、ハンディタイプの掃除機が充電できるようになっています。
2つ目は、色調と素材です。狭い店舗を極力広く見せるように白で統一し圧迫感を軽減しました。空間が単調にならないようにレンガや、タイル・漆喰などテクスチャーでアクセントをつけています。ご予算的に厳しい場合はアクセントとして、素材感のある素材を1つだけ入れるのもおすすめです。小さな店舗はそもそもの面積が少ないので、材料費としてコストが大幅に上がることがない割には、アクセントを一部分に入れるだけで店舗イメージが劇的にかわります。
3つ目は、ファザードです。店舗の顔となるファザードはどんな店舗にとっても重要ですが、小さな店舗の場合は特に、周りの景色に埋もれてしまわないようなインパクトと入りやすさを演出することが大切だと思います。こちらの店舗では、エントランス扉は晴れた日にはフルオープンにできるガラスの折れ戸にし、スペースを有効活用できるようにしています。また駅からの動線に面した壁面のサインは手書きで仕上げています。

残念ながら現在この店舗は、すでに閉店してしまっているのですが、ご依頼主様はいい物件があればすぐにでも始められるよう2店舗目を計画中です。これからもBASISでは小さいけれどもアイディアと思いがたくさん詰まった店舗づくりのお手伝いをさせて頂けると嬉しく思います。